キャットフードで健康を保つために

ヘアボールケアのキャットフード

猫は自分で毛づくろいをするため、時々お腹にたまった毛玉を吐くことがあります。
この毛玉をヘアボールといい、ヘアボールケア用のキャットフードも市販されています。
しかし、これは対策どころか逆効果になることもあります。

ヘアボールができる理由とは

猫はよく毛づくろいをする動物です。
清潔を保つためという理由が大きいですが、体温を調整したり、ストレス発散や気分転換の意味もあります。
猫の舌はザラザラと固くブラシの役割もしているため、自然に自分の被毛を飲み込むことになり、体内でヘアボールになります。
猫の被毛は普段から常に生え変わっていますが、夏から冬、冬から夏にかけては換毛期で衣替えをするように抜け毛が増えます。
そのため、この時期はさらにお腹にヘアボールがたまりやすくなるのです。

このたまったヘアボールは、通常なら便と一緒に体外に排出されるか、猫の習性である「吐き戻し」をします。
これは猫の先祖が行っていた、外で小さな虫や哺乳類と共に草を食べ、消化吸収できない部分を吐き出すという生理現象のこと。
この習性は今も残っており猫はよく吐きますが、本人はケロッとしていることが多く、逆に人間のほうが「こんなに吐いて大丈夫なの?」と心配になってしまうことが多いかもしれません。
そのせいか、便と一緒にヘアボールをスムーズに排出するためのヘアボールケアができるキャットフードが人気です。

食物繊維が豊富=いいこと?悪いこと?

ヘアボールケアのキャットフードは、お通じを促すために食物繊維が豊富に含まれています。
しかし、そのせいで便が腸に詰まりやすくなって便秘を引き起こすケースが多く見られます。
食物繊維は毛をからめとってくれますが、毛を溶かしたりする作用はないため通常よりも便が大きくなってしまうんですね。
さらに、食物繊維が多いということは炭水化物が多いということでもあります。
猫がもっとも必要とする栄養はタンパク質であり、消化吸収しにくい炭水化物の割合が多いと猫の体に負担になりかねません。
このため、もともと便秘がちな猫には逆効果になる恐れがあるのです。

過剰なケアは逆効果に

このように、良かれと思って選んだヘアボールケアのキャットフードが逆効果になることもあります。
猫の習性である吐き戻しで、ヘアボールは自然に排出されるのが普通です。
むやみに自己判断でキャットフードを変えたりせず、医師に相談するようにしましょう。

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